── 回転寿司で“季節”と“運気”をまるごと楽しもう。

■ お寿司で季節と運気を味わうという発想
※本記事は
旬のカレンダー [ 旬の暮らしをたのしむ会 ](著:旬の暮らしをたのしむ会/主婦と生活社)のコラム内容をもとに、私の解釈と体験を加えて構成しています。
回転寿司は、安くて早くて楽しいだけじゃない。季節と向き合い、運気を味方につけるための「日常に溶け込んだ開運フード」でもあります。
本記事では、ただお寿司を食べるのではなく、食べる順番や季節の節目(二十四節気)に合わせて選ぶ“粋なお寿司の楽しみ方”をご紹介します。
■ お寿司は「順番」で味も変わる?
お寿司の世界には「順番に意味がある」という考え方があります。
最初は軽やかに、だんだんと旨味や脂をのせていき、最後はやさしく締める──その流れはまるで、ひとつの物語のようです。
🍣【粋な10貫寿司コース】
順番 | ネタジャンル | 理由・粋ポイント |
---|---|---|
一貫目 | 白身(たい・ひらめ・まこがれい) | 舌を整える。運の“初(始)まり”を味わう |
二貫目 | 貝 or イカor甘エビ・ボタンエビ(みる貝・あおやぎ・赤貝・甲イカ・やりいか・あおりいか) | 食感で目覚め。浄化・清めの力も◎ |
三貫目 | 煮物・蒸し物(煮穴子・蒸しえび・蒸しタコ) | 温かさでお腹と気を緩める |
四貫目 | 赤身(まぐろ)イクラ・ウニ | 味覚が整ったところで“主役”登場 |
五貫目 | 酢締め(こはだ・しめさば・さより) | 江戸前の伝統仕事。邪気払い・運気調整の役割も |
六貫目 | 脂身(中トロ・大トロ、ブリ) | 濃厚さのピーク。ここで満足度の頂点に |
七貫目 | 青魚(あじ・さば・いわし) | ビタミン・鉄分たっぷり。地に足をつける |
八貫目 | 巻物(鉄火巻・かんぴょう巻・かっぱ巻きなど) | “まとめ”の一手。軽やかに整える |
九貫目 | 味噌汁・茶碗蒸し | 余白の時間。和の心でしめくくる |
十貫目 | 玉子焼き・トロタクor デザート | 甘みで笑顔。福の余韻が残るように |
■ 季節を味わう“二十四節気×寿司ネタ”
節気(時期) | 寿司ネタ | 開運の意味・由来 |
立春(2月上旬) | 鯛(たい) | 「芽出たい」の語呂合わせ。新たなスタートに◎ |
春分(3月下旬) | 鯵(あじ) | 昼夜が等しくなる節目=調和運。“ちょうどよさ”を引き寄せる。クセがなく酸味・旨味・脂のバランスが絶妙で、“味が良い魚”=“アジが良い魚”という粋な言葉遊びにもなっています。 |
立夏(5月上旬) | 鰹(かつお) | 出世魚!仕事運アップ・転職・昇進の後押しに |
夏至(6月下旬) | 烏賊(いか) | 白く清らか=心身リセット。新たな気持ちで進みたいときに |
立秋(8月上旬) | 鯖(さば) | 青魚は邪気払い&健康運アップ。暑さ疲れにも◎ |
秋分(9月下旬) | 秋刀魚(さんま) | 実りの季節にふさわしいネタ。“一本筋の通った自分”を味わう |
立冬(11月上旬) | 雲丹・いくら | 海の宝=金運・家庭運UP。年末に向けてエネルギーを取り込む |
冬至(12月下旬) | 平目(ひらめ) | 陰の極みに合わせて“静の美”。余白を大切に整えるとき |
■ 四季別・開運10貫寿司コース
🌸【春の10貫寿司コース】(2月〜4月)
- たい or まこがれい / みる貝 or 赤貝 / 蒸しえび / まぐろ赤身 / こはだ / 中トロ / あじ / 桜でんぶ巻 / はまぐり潮汁 / 玉子焼き
🌻【夏の10貫寿司コース】(5月〜7月)
- すずき / つぶ貝 or やりいか / 蒸し穴子 / まぐろ / しめさば / いくら / いわし / かっぱ巻き / 冷製茶碗蒸し / 甘えび
🍁【秋の10貫寿司コース】(8月〜10月)
- ひらめ / あおやぎ or 甲イカ / 煮穴子 / まぐろ / さんま酢締め / 大トロ / さば / しそ巻き / きのこ汁 / 玉子 or いくら
❄️【冬の10貫寿司コース】(11月〜1月)
- 平目 / ほたて or あおりいか / 蒸しえび or 蒸しタコ or 茶碗蒸し / 赤身 / 昆布締めこはだ / うに / あじ / かんぴょう巻 / あおさ味噌汁 / 玉子 or ねぎとろ軍艦
■ 家でもできる、粋な“お寿司で開運”
パック寿司やウーバーイーツでも、少しの工夫で“粋なお寿司時間”は作れます。
- ネタを10貫ルートに見立てて楽しむ
- 旬のネタが入っているかチェックして、意味を込めて味わう
- 緑茶やお味噌汁で余韻を整える
- お花や小皿、箸置きなどでテーブルを“旬の舞台”にする
「意味を込めて食べる」だけで、いつものお寿司が更に“ごちそう”に変わる
■ お寿司の楽しみ方に、ちょっとした“意味”を添えて
お寿司はかつて“晴れの日のごちそう”でしたが、今では日常でも気軽に楽しめる、親しみのある存在になりました。
それでも、特別な日に食べたくなる“ごちそう感”も変わらず残っています。
季節や順番に意味を込めて食べれば、ちょっと特別な時間になります。
でもやっぱり、好きなネタを好きな順に食べるのが一番の幸せ。
そんな中で、開運を願って、粋に楽しむお寿司のスタイルも“お遊び感覚”で取り入れてみてはいかがでしょうか。
今日もごちそうさまでした。
季節と向き合う暮らしに興味が湧いた方へ──
『旬のカレンダー』の続編として生まれたこちらの一冊。
季節感が薄れつつある今、「これは本来いつのものだったか?」をやさしく教えてくれます。
草花や空模様、食卓や装い、ことばなど、暮らしの中の“季節の兆し”を丁寧にたどる歳時記本です。
