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🌿また帰ってきたくなる海と夕陽の宿 ─ 心がゆるむ静かな旅でリセットする

旅は、ただの気分転換で終わらせるには、ちょっともったいない。

リラックスできるのはもちろんだけど、自分の心と向き合ったり、これからどう過ごしたいかを考える時間にもなります。

そんなふうに感じられる旅先って、ありそうでなかなか出会えないものです。

今回訪れたのは、福井県の海沿いにある小さな漁師町。

観光地のようなにぎやかさはないけれど、そこには静かでやさしい時間が流れていました。

その町の海辺にあるお宿。客室からは海が見渡せて、夕暮れどきには水平線に沈んでいく夕陽を一望できます。

静かな海辺の宿で、深呼吸する時間

チェックインして部屋に入った瞬間、まず耳に届いたのは「波音」でした。

普段どれだけ音に囲まれて生活しているのかを思い知るような、穏やかな波音がそこにありました。

窓を開けると、海からの風がふわっと入り込み、潮の香りとともに深呼吸。

背筋がすっと伸びて、心も体もゆるんでいくのを感じました。

部屋には小さなテレビ。時間を忘れてのんびりできる環境。

畳の香りや、ちょっと古めかしい家具が妙に落ち着く。

宿の方も必要以上に干渉せず、でも何かあればすぐに手を差し伸べてくれるような距離感がちょうどよく、「こういうのがいいんだよな」と思わず独り言が出てしまいました。

福井の新鮮な海の幸を満喫!海辺の宿で味わう贅沢ごはん

夕食は、旅の大きな楽しみのひとつ。

こちらのお宿では、地元漁港で仕入れたばかりの海の幸がふんだんに使われています。

まず目に飛び込んできたのは、大皿に盛られたお刺身の舟盛り。

透き通るようなイカや、ぷりっとした甘エビ、脂ののった鯛、コリコリの大きなアワビ、美しいアジ、そしてたっぷりウニ。

どれも鮮度抜群で、醤油をちょんとつけるだけで口いっぱいに海の風味が広がります。

そのほかにも、焼き魚、酢の物、天ぷら、茶わん蒸しなど、手をかけた品が並び、見た目にも楽しく、舌にも嬉しいラインナップ。

贅沢という言葉だけでは足りないくらい、心もお腹も満たされる食事でした。

食事中、ふと窓の外を見ると、ちょうど夕陽が海に沈んでいくところ。

オレンジ色の光が水面に反射して、なんとも言えない美しさでした。

このタイミングでの食事が忘れられないひとときです。

「また来たい」と思わせる空気感

宿に泊まって「また来たい」と思うかどうかは、景色や料理のよさだけじゃないと、あらためて思いました。

この宿には、はっきり言葉にできないけれど、居心地のよさがあります。

たとえば、朝の挨拶が自然だったり、布団の感触がやさしかったり。

肌触りの良い浴衣だったり。

細かいところまで手が届いているのに、押しつけがましさがない。

その空気感が、旅人の心をふわっと軽くしてくれるのだと思います。

実際、私は何度もお世話になっているお宿です。

チェックアウトのときには「また来ますね」と自然に言葉が出てしまうのです。

そのくらい、心がゆるんだんだと思います。

日常の中でふと思い出す場所

帰ってきてから数日経っても、あのお宿のことをふと思い出す瞬間があります。

たとえば、仕事の合間に深呼吸したとき、あるいは空が夕焼けに染まったとき。

そんなときに、あの静かな波の音や、夕陽に照らされた海辺の景色が心に浮かんでくる。

旅って、行ったそのときだけじゃなく、あとからじわじわと効いてくるものなんだなと実感しました。

「また帰ってきたくなる宿」という言葉が、これほどしっくりくる場所はなかなかありません。

きっと、次に心が疲れたときも、またふらっと向かってしまうと思います。

おわりに:心を整えたいときの旅先として

最近ちょっと疲れているな、静かな場所でゆっくりしたいな、と思ったら、ぜひ旅をしてみてほしいです。

大きな観光地じゃなくてもいい。

派手なサービスがなくてもいい。

ただ、自分にとって心地よい時間を過ごせる場所が、そこにあれば、それだけで十分。

旅は、ただの気分転換ではなく、自分の軸を整えるためのきっかけにもなります。

そして、そんな時間を過ごせる宿との出会いは、人生にそっと寄り添ってくれる“ごほうび”のようなものなのかもしれません。

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