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【名水百選】青く透き通る湧水の楽園|静岡・柿田川公園の歩き方

階段少なめで名水を楽しむ柿田川公園

※この記事は2025年9月3日に訪れた際の記録です。

「死ぬまでにやりたいことリスト(Bucket List)」に、
自然や美しい景色に触れる時間を入れている方は多いと思います。
私もその一人で、仕事や日常に追われがちなアラフィフ世代だからこそ、
無理なく、心が満たされる体験を求めています。

今回訪れたのは、静岡県清水町にある柿田川公園
ここは、富士山に降った雨や雪が約20年をかけて濾過され、
再び湧き水となって地上へ戻ってくる特別な場所です。
階段は少なめで、短時間の散策でも自然の恵みをしっかり体感できます。

名水の透明感に癒され、足湯ならぬ“足水”でひんやりリフレッシュ。
売店には名物の豆腐ソフトや限定ビールもあり、
観光だけでなく小さな楽しみも詰まっています。

この記事では、
私が実際に歩いた所要約60分のおすすめ順路とともに、
アラフィフでも無理なく楽しめる柿田川公園の見どころを紹介します。
「自然を感じる旅」の参考になれば幸いです。


柿田川公園とは(概要と魅力)

柿田川公園は、静岡県清水町にある湧水の保護公園です。
富士山に降った雪や雨が、約20年かけて地下を旅し、
伏流水として湧き出す場所のひとつが柿田川です。

その湧水量は日本有数で、
一日あたり 約100万トン(東京ドーム約1杯分)ともいわれ、
飲料水や工業用水として周辺地域を支えてきました。

透明度の高い湧水と、
源流からわずか1.2kmで駿河湾に注ぐ珍しい短い川の姿が認められ、
21世紀に残したい自然100選、名水百選、国の天然記念物、
さらに伊豆半島ジオパークにも認定されています。

✅柿田川は「日本で最も湧水の息づかいを間近に感じられる川」
といわれています。


新東名高速道路を走行中に見えた富士山。柿田川公園へ向かう道中の風景。撮影時刻は8時43分。
新東名高速道路を走行中に見えた富士山。胸が高鳴ります。
全く雪がないことってあるんですね。
撮影時刻は2025年9月3日 8時43分。

柿田川公園 町営駐車場からスタート

国道1号線から入った細い道路を少し行くと町営駐車場があります。
平日の午前は空いています。

駐車場から徒歩すぐの場所に観光案内所があり、まずはここで地図を入手すると安心。


上流側から順路通りに歩くと楽

柿田川公園は、上流→下流へと歩くのが体力的に最適。
逆方向だと登り坂が増えて負担が大きくなります。

観光案内所の前を通り、湧歩橋へ向かいます。

橋からは森の緑と湧水がちらり。
これから出会う「富士山の水」の旅に期待が高まります。

柿田川公園町営駐車場の入口と案内看板。公園の散策起点となる駐車スペース。
駐車場からは観光案内所を目指して湧歩橋へ向かうと、上流から無理なく見て回れます。

国道1号線沿いの歩行者向け入口に立つ「柿田川公園」と刻まれた石碑。車両は進入不可。
国道1号線側の徒歩入口にある石碑です。
車の場合は別の入口から町営駐車場へ進みます。

まずは上流へ|第一展望台で湧水を見下ろす

第一展望台へは62段の階段を降りて向かいます。
段差は低めで、手すりがあり無理なく下れます。
第一展望台からは、
富士山に降った雪や雨が地下で20年ほどかけて濾過され、
湧水として川へ姿を変える様子
を見下ろせます。

透明度が高く、川らしい流れがすでに感じられる景色です。
水音と鳥の声が響き、静けさの中に自然のダイナミズムがあります。

第一展望台へ向かう62段の下り階段。手すり付きで足元注意と書かれています。
第一展望台へは62段の階段を降ります。
手すりがありますが、滑らないように気を付けて。

第一展望台に設置された案内看板。柿田川の最上流部。
62段の階段を降りた先にある第一展望台の看板。
柿田川の最上流部。数十か所の湧き間が見られます。

第一展望台からの眺め。
第一展望台からの眺めです。川のせせらぎと鳥の声が聞こえます。

第一展望台から見下ろした柿田川。透明な流れと周囲の木々。
第一展望台からの眺めです。 透明度が高く、木陰が多い涼しいエリアです。

第二展望台|深い青が映える「ブルーホール」と湧水の力

第一展望台から緩やかな道を進み、次に目指すのが第二展望台
ここでは「ブルーホール」と呼ばれる大きな湧き間が見られます。

  • 階段は70段と少し長めですが、手すり付きで焦らず歩けます。
  • 展望地点では、直径5 mほど、深さ3.5 m級と言われる湧水の穴を真上から見下ろせます。
  • なぜ青く見えるのか?それは「水深が深くなるにつれて赤色の光だけが吸収され、青みが強まる」ためです。

水面の揺らぎや岩の隙間から浮かび上がる泡…近くで見るとその透明な流れが、時間と大地の営みによって育まれたものであると実感しました。

70段の階段を降りた先にある第二展望台の案内看板。
第二展望台の案内看板です。 70段の階段を下りて到着します。

第二展望台から見える湧き水のブルーホール。地中から砂を巻き上げながら湧き出す水が、青く見えるポイント。
第二展望台で見られるブルーホールです。
かつて紡績工場の井戸として利用されていた場所で、湧き水が砂を巻き上げる美しい様子が観察できます。

第二展望台からの70段の階段。
第二展望台からの70段の階段。

貴船神社

第二展望台から3分ほど歩くと、木々に囲まれた貴船神社があります。

この社は水を司る神として、
京都市左京区鞍馬に鎮座している貴船神社より御神霊を歓請しこの地に祀られています。

参道は短く、無理なく参拝できます。
木漏れ日の中、深呼吸したくなる静けさがあります。

境内には「えんむすび通り」の石碑があり、
上に置かれた二つのおむすび石にそっと触れる人の姿も。
良縁祈願として人気のスポットです。

柿田川公園内の貴船神社の鳥居。
第二展望台から3分の場所にある貴船神社の鳥居です。
水を司る神を祀り、良縁祈願で親しまれています。

貴船神社の手水舎。
貴船神社の手水舎。

貴船神社の参道にある石碑。石のおむすびに触れると良縁に恵まれると案内されています。
貴船神社の参道にある石碑。
石のおむすびに触れると良縁に恵まれると案内されています。

貴船神社の小さな社殿。周囲を木々に囲まれ、参道の先に祀られている。
貴船神社の社殿。
静かな森の中で、水と縁結びの神様に参拝できます。

湧水広場|湧き間に手を伸ばせる、癒しの足水スポット

貴船神社を後にして3分ほど歩くと、開けたエリアに湧水広場があります。
ここでは地表に湧き出た清らかな水に、直接手や足で触れることができる人気の場所です。

水深は浅く、小さな子どもさんでも安心して遊べる深さ。
透き通った流れをたどると、いくつもの小さな“湧き間”があり、
その水がゆっくりと柿田川へつながっていく様子を間近で見ることができます。

水温は一年を通して冷たく、真夏でも足を入れると驚くほどの清涼感。
富士山の伏流水が20年の歳月をかけて地上へ現れる――その自然の循環を、
肌で感じられる貴重なスポットです。


◆利用時のポイント

  • 水深は浅めで安全性は高いが、水辺では子どもさんから目を離さないよう注意
  • 石が滑りやすい場所があるため、裸足で歩く際は慎重に
  • タオルや替えの靴下を準備しておくと安心
  • 水温が低いので、長時間の足入れは控えめに

広場のまわりにはベンチや木陰も多く、
足水を楽しんだ後にゆっくり休憩できます。
穏やかな癒し空間です。

浅い湧水が流れる湧水広場。足を浸して遊べるように石が並べられ、木陰の中を水が流れている。
湧水広場では、実際に水に触れられます。
水深は浅く足を浸している人も。
ひんやり冷たくて気持ちよさそうでした。

舟付場|戦国時代の面影が残る、湧き間のある静かな場所

湧水広場の奥に進むと、木々の間にひっそりと佇む舟付場(ふなつきば)があります。
ここは通称「舟付場」と呼ばれ、二つの井戸の跡から今も水が湧き出している場所です。

案内によると、戦国時代にはこの湧水を利用し、
狩野川対岸の本城山の戸倉城と、
柿田川公園内にあった泉頭城を舟で行き来していたと伝えられています。
水の豊かさが、かつては交通や物流にも利用されていたことがうかがえます。

現在も井戸跡からは絶え間なく清水が湧き、
水底の砂がふわりと舞い上がる様子が見られます。
その動きはまるで呼吸するようで、自然の力強さを感じさせます。

柿田川公園「舟付場(湧き間)」の湧水スポット。2つの井戸跡から澄んだ水が湧き出し、周囲の豊かな緑に包まれている様子。
戦国時代に戸倉城と泉頭城を結ぶ舟の発着場と伝わる井戸跡。
今も湧き出す清水が美しく、柿田川の源を間近に感じられるスポットです。


木製八つ橋|湧水の上を歩く、清流の小径

舟付場を過ぎると、木のぬくもりを感じる木製の八つ橋が現れます。
この場所は、柿田川の中で最も川幅が広く、豊富な水量を実感できる区間です。

橋の上からは、上流方向の柿田川を一望できます。
湧水が集まり、川としての流れをはっきりと感じられる地点で、
水面を渡る風や光の反射がとても美しく見えます。

水は驚くほど透明で、底の砂の動きや水草の揺れまで見えるほど。
耳を澄ますと、せせらぎの音と鳥の声が混ざり合い、
自然のリズムを感じるひとときが過ごせます。

川辺では早くも彼岸花が咲き始めており、静かな水辺に赤い花が映えて印象的でした。

9月上旬に咲き始めた赤い彼岸花が緑の草むらの中で鮮やかに映える様子。
湧水のそばで見つけた彼岸花。
9月初めにも関わらず、季節を先取りした彼岸花がひっそりと秋の訪れを知らせてくれていました。

八つ橋を渡ってゴールへ

木製の八つ橋を渡り終えると、
ゆるやかな上り坂の散策路を進み、柿田川公園駐車場方面へ戻ります。

およそ1時間の行程でしたが、
階段は5か所で、いずれも30~70段と体力的な負担はほとんどありません。
ちょうどよいボリュームのコースです。

芝生広場|町民や観光客の憩いの場として親しまれる空間

柿田川公園の散策ルート途中に、
明るく開けた芝生広場があります。

広々とした芝生と木陰のベンチが整備され、
子どもから大人までゆったりと過ごせる開放的な雰囲気。
案内によると、この広場は町民や訪れた人々の憩いの場として親しまれており、
週末には地元の家族連れの姿も多く見られます。

観光案内所では、ピクニックセットの有料レンタルも用意されています。
湧水散策を終えたあと、ここで軽食を楽しみながら
旅の余韻に浸るのもおすすめです。

柿田川公園の芝生広場。木陰にピクニック用テーブルが並び、ゆったり過ごせる休憩スペース。
芝生広場にはテーブルやベンチが多く設置されていて、休憩しながらゆっくり過ごせます。
観光案内所ではピクニックセットの有料レンタルもあり、軽食を楽しむのにも便利。

名水グルメで締めくくる|豆腐アイス・静岡ビール・伊豆わさびチーズ

散策のあとは、公園入口の「ドライブイン柿田川湧水の道」でひと休み。
湧水の恵みを活かしたグルメが並び、旅の最後をおいしく締めくくることができます。

◆豆腐アイスクリーム(柿田川豆腐館)


湧水仕込みの豆腐を使った「豆腐アイスクリーム」は、
やさしい甘さとすっきりした後味が特徴。
散策で少し火照った体にちょうど良く、地元でも人気の一品です。

柿田川湧水の恵みで作る豆腐製品を販売する柿田川豆腐館の外観
柿田川湧水の名水を使った豆腐や惣菜が人気の「柿田川豆腐館」。
売店限定の豆腐グルメを楽しめます。

柿田川豆腐館名物のとうふアイス。左はプレーン、右はきなこ味
柿田川豆腐館の名物「とうふアイス」。
プレーンは濃厚な大豆の甘さ、きなこ味は香ばしさが引き立つ優しい味わいです。

◆静岡麦酒(静岡ビール)

キリッと冷えた地ビール「静岡麦酒」は、
名水のまちならではの澄んだ口当たり。
ドライブイン併設の売店で購入可能です。

数量限定の静岡麦酒。富士山デザインの缶が印象的な静岡限定ビール。
静岡の気候と富士山の恵みを感じられる一杯。
キメ細かな泡とすっきりした後味が楽しめました。

◆伊豆わさびチーズ

おみやげコーナーでは、静岡らしい「伊豆わさびチーズ」も人気。
軽い辛味とチーズのコクが後を引き、
家で旅の余韻を楽しむのにぴったりの組み合わせです。

静岡県産わさびを使用した伊豆わさびチーズのパッケージ商品写真。
伊豆わさびの風味がしっかり感じられる、おつまみにぴったりのチーズスナック。
静岡麦酒と相性抜群でした。

名水を持ち帰る|柿田川湧水の「水汲み場」

柿田川公園駐車場の付近には、
おいしい柿田川の水を無料でくむことができる「水汲み場」が整備されています。

ペットボトルやポリタンクを持参すれば、
この名水を自宅に持ち帰って楽しむことが可能です。
地元の人が日常的に水をくみに訪れる姿も多く、
「生活の一部」として親しまれています。

柿田川湧水の水汲み場。石組みから湧き水が流れ、持参した容器に汲めるようになっている。
柿田川湧水の水汲み場。飲料水として持ち帰る人も多く、ペットボトルを持参すれば無料で湧水を汲めます。
柿田川湧水 水汲み場の案内看板。「ご自由にご利用くださいませ」と書かれている。
水汲み場の案内看板。駐車場は町営駐車場が利用でき、湧水は自由に汲めるようになっています。

訪問時のマナーと注意事項

柿田川公園は、国指定天然記念物であり、清水町の大切な水源地です。
自然を守るため、次のルールを守って利用しましょう。

  • 湧水や川にゴミを投げ入れない
  • 動植物の採取は禁止
  • バーベキューや火気の使用は禁止
  • バイク・自転車は所定の場所へ駐輪
  • ペットはキャリーバッグまたは専用ゲージ利用時のみ入場可能
  • ゴミや空き缶は持ち帰る
  • 国道1号線からの右折入場は禁止(左折入場のみ)

清らかな湧水は、地域の人々と訪れる人が共に守っていく宝物。
マナーを守ることで、この透明な流れを未来へとつなげていきましょう。


アクセス情報

  • 所要時間:約1時間
  • 住所:静岡県駿東郡清水町伏見86番地
  • 駐車場:町営駐車場あり(普通車200円)
  • 公共交通:沼津駅または三島駅からバスで約15〜25分
  • トイレ・売店・休憩所あり

まとめ

自然・歴史・暮らしが調和する柿田川公園。
どこを切り取っても「水の美しさ」が感じられる場所でした。
階段は少なめで歩きやすく、季節ごとに表情を変える水辺の風景は何度訪れても心に残ります。

――地球の呼吸が聞こえるような湧水の地で、静かに流れる時間を過ごしてみませんか。


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