中国ドラマを見ていると、七夕がとてもロマンチックに描かれています。
日本の七夕といえば、笹に短冊を飾って願い事をする日。
中国では、ちょっと雰囲気が違います。
今年の七夕のあと、中国のSNS「RED(小紅書)」を見てみました。
大きな花束にプレゼント。
カップルで食事をしたり、七夕デートを楽しんだり。
記念写真撮ったり。
想像以上にロマンチック。
「中国版バレンタイン」と呼ばれることもあります。
そんな投稿を見ていたら、私まで温かい気持ちになりました。
中国ドラマ『瓔珞』にも、七夕に女性たちが「乞巧」をする場面が登場します。
牛郎と織女の伝説から、古代の「乞巧」、現代の七夕までたどってみます。
中国の七夕「七夕節」はいつ?
中国の七夕は「七夕節(七夕节/qīxī jié)」と呼ばれ、旧暦の7月7日に行われます。
日本のように毎年7月7日ではなく、毎年日付が変わります。
2026年の七夕節は8月19日でした。
2027年以降の七夕節は、次の通りです。
| 年 | 日付 | 曜日 |
|---|---|---|
| 2027年 | 8月8日 | 日曜日 |
| 2028年 | 8月26日 | 土曜日 |
| 2029年 | 8月16日 | 木曜日 |
| 2030年 | 8月5日 | 月曜日 |
| 2031年 | 8月24日 | 日曜日 |
そしてなんと!2027年の七夕節は、ちょうど8月8日!
中国では「8」は縁起のいい数字として、とても好まれています。
そんな「8」が並ぶ日に七夕節が重なるなんて、なんだか特別ですね。
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一年に一度だけ会える「牛郎と織女」
中国の七夕には、牛郎(ぎゅうろう)と織女(しょくじょ)の物語があります。
日本でいう彦星と織姫です。
二人は夫婦になりますが、天上の決まりに背いたため引き離され、天の川を隔てて暮らすことに。
会うことを許されたのは、旧暦7月7日の夜だけです。
その夜になると、たくさんのカササギが集まり、翼を連ねて天の川に橋を作ります。
その橋が「鵲橋(じゃっきょう)」です。
牛郎と織女はカササギが作った橋を渡り、ようやく会うことができます。
一年に一度しか会えない二人のために、カササギが天の川に橋を作る。
なんともロマンチックな話です。
今の中国でも七夕が恋人たちの特別な日になっているのですね。
昔の七夕は「恋」だけじゃなかった
七夕には、もう一つの顔があります。
昔の中国では、女性たちが「巧(こう)」を願いました。
「巧」は「技巧」の「巧」。
手先が器用で、技に優れているという意味です。
織女は機織りの名手。
女性たちは織女にあやかり、裁縫や機織りが上達するよう願いました。
これを「乞巧(きっこう)」といいます。
願い方もいろいろです。
針に糸を通したり、蜘蛛の巣を見たり。
水に針を浮かべることもありました。
……あれ?これ、中国ドラマで見たことがあります。
『瓔珞』で針を水に浮かべていたのは何?
『瓔珞〈エイラク〉~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』にも、宮女たちが水を張った器に針を浮かべる場面があります。
瓔珞はなかなか針を浮かべることができず、日が暮れるまで何度も挑戦していました。
あの針、何をしていたんだろう?
調べてみると、乞巧のひとつ「投針験巧(投针验巧)」でした。
これは、今でいうちょっとした占いのようなもの。
水面に針を浮かべ、水底にできた影の形から「巧」を得られたかを見ます。
影が花や雲などの形に見えれば「得巧」。
反対に、細い糸や太い槌のような形などは「拙」とされました。
「拙」だからといって、悪いことが起きるわけではありません。
瓔珞が刺繍房で働いていたことを考えると、「巧」が大切な意味を持つ七夕に、この場面が登場するのも面白いですね。
REDには、今でも水に針を浮かべて楽しむ投稿がありました。
『瓔珞』で見た風習が今も残っているのですね。

七夕のお菓子「巧果」
中国の七夕には、「巧果(qiǎoguǒ/チャオグオ)」という伝統的なお菓子もあります。
ここにも「巧」の字が入っています。
小麦粉などを使って作られ、地域によって形や作り方もさまざま。
七夕には巧果や果物などを供え、織女に「巧」を願う習慣もありました。
最初に見たときは、かなり素朴なお菓子だなと思いました。
花や魚などをかたどったかわいい巧果もあります。
中国と日本の七夕、何が違う?
今の中国と日本では、七夕の過ごし方がかなり違います。
| 中国 | 日本 | |
|---|---|---|
| 日にち | 旧暦7月7日 | 主に7月7日 |
| 二人の呼び方 | 牛郎・織女 | 彦星・織姫 |
| 今のイメージ | 恋人たちの特別な日 | 笹・短冊・願い事 |
| 代表的な風習 | 乞巧など | 七夕飾りなど |
| 食べ物 | 巧果など | そうめん、七夕菓子など |
でも、牛郎と織女は日本では彦星と織姫として知られています。
では、二人を会わせるカササギの橋は?
日本の七夕では、あまり聞かない気がします。
私もほとんど意識したことがありませんでした。
ところが、ちゃんと日本にも伝わっていました。
しかも、百人一首に出てきます。
百人一首にもあった「カササギの橋」
大伴家持の歌です。
【かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける】
今の言葉にすると、
【カササギが架けたという橋に、真っ白な霜が降りている。その白さを見ると、夜もすっかり更けたのだなあ。】
という意味です。
百人一首にあるのに、私は「かささぎの橋」が何なのか、まったく知りませんでした。
この「かささぎの渡せる橋」は、中国の七夕に登場する鵲橋の伝説を踏まえているのですね。
ところが、ここで気になるのが、
「おく霜の」って……霜?
七夕なのに冬?
実はこの歌、『新古今和歌集』では冬の歌です。
冬の天の川を表したという説や、宮中の階段を天上の鵲橋になぞらえたという説などがあります。
ちなみに冬にも天の川は見えます。
夏より淡いため、あまり目立たないそうです。
中国から伝わった牛郎と織女の物語。
カササギが天の川に橋を架ける「鵲橋」の伝説も、日本に伝わっていました。
百人一首にまで残っているのに、今の日本の七夕ではほとんど聞かないですね。
中国の七夕、なんだか温かいですね♡
中国ドラマで見ていたロマンチックな七夕。
一年に一度だけ会える牛郎と織女の恋物語があり、昔の女性たちは織女に「巧」を願っていました。
『瓔珞』で必死に針を浮かべていた場面は、「巧」を得られたかを見る「投針験巧」だったのですね。
今の中国では、花を贈ったり、一緒に食事をしたり、記念写真を撮ったり、大切な人と七夕を過ごしています。
REDに並んだたくさんの花束やカップルの写真を見ていたら、私まで温かい気持ちになりました。
大切な人に、改めて気持ちを伝える七夕。
中国の七夕、なんだか温かくていいですね♡
おまけ|こんなにきれいな七夕のお菓子、見つけました
この記事を書くために七夕について調べていたら、こんなお菓子を見つけました。
天の川を閉じ込めたような青い羊羹。
織姫と彦星をかたどった、かわいい和菓子もありました。
どれも七夕らしくて、すごくきれい。
中国の「巧果」とは全然違いますが、日本の七夕のお菓子もいいですね。
せっかく見つけたので、おまけで紹介します。
