北京

【故宮・紫禁城⑤】景山公園から紫禁城を一望|絶景撮影スポット

※この記事は2025年10月18日に訪れた際の記録です。

紫禁城の中心部を抜け、御花園、神武門へ。
そこから景山公園へ向かい、最後は山の上から紫禁城を一望します。

紫禁城の中を歩いていると、とにかく広くて全体像がなかなかつかめません。
景山公園から振り返ると、歩いてきた紫禁城が目の前いっぱいに広がります。

この記事では、紫禁城の後半ルートから景山公園まで、実際に歩いた順に紹介します。


乾清宮|皇帝の寝殿から政務の場へ

乾清宮の扁額と黄色い瑠璃瓦の屋根
乾清宮の正面に掲げられた「乾清宮」の扁額。
黄色い瑠璃瓦の屋根と、軒下の鮮やかな彩画も見どころです。

乾清宮は、紫禁城の内廷にある「后三宮」のひとつです。

明代には皇帝の寝宮として使われ、清代も順治帝、康熙帝まではここで暮らしていました。
雍正帝が養心殿へ移ったあとは、皇帝が大臣を召見したり、奏章を読んだり、日常の政務を行ったりする場所として使われました。

乾清宮の内部で有名なのが、宝座の上に掲げられた「正大光明」の扁額です。
順治帝が書いたもので、雍正帝の時代からは皇位継承にも深く関わる場所になりました。

雍正帝は、後継者の名前を書いた密詔を箱に納め、「正大光明」の扁額の後ろに保管する「秘密建儲」という制度を始めます。
皇帝の死後に密詔を開き、次の皇帝を明らかにする仕組みでした。

乾隆帝は、この秘密建儲によって即位した最初の皇帝です。

紫禁城内廷の乾清宮と手前に置かれた銅缸
紫禁城内廷の中心に建つ乾清宮。
手前には火災に備えて水を蓄えた銅缸が置かれています。
乾清宮内部の「正大光明」の扁額と宝座
乾清宮の「正大光明」の扁額。
雍正帝が始めた秘密建儲では、皇位継承者の名を記した密詔を納めた箱が、この扁額の後ろに置かれました。

交泰殿|皇后の儀礼と「清二十五宝璽」

紫禁城内廷にある交泰殿の扁額と黄色い瑠璃瓦の屋根
乾清宮と坤寧宮の間に建つ交泰殿。
清代には皇后の儀礼が行われ、皇帝の印章「清二十五宝璽」も保管されていました。

乾清宮と坤寧宮の間に建つ交泰殿。

「交泰」は、天地が交わり、安泰となる意味を持つ言葉です。

清代には、皇后の誕生日である「千秋節」に祝賀を受ける場所として使われました。皇帝の大婚の際には、皇后の冊・宝もここに置かれました。

また、皇帝の権威を示す25方の宝璽「清二十五宝璽」が収蔵されていた場所でもあります。

殿内には宝座が置かれ、その上には康熙帝が書いた「無為」の扁額があります。

天井中央には、龍が珠をくわえた「盤龍銜珠藻井」が設けられています。

交泰殿内部の宝座と「無為」の扁額、天井の盤龍銜珠藻井
交泰殿内部。
宝座の上に康熙帝筆の「無為」の扁額、天井中央には盤龍銜珠藻井があります。

坤寧宮|皇后の寝宮から祭祀の場へ

交泰殿の北に建つ坤寧宮は、内廷三宮のいちばん奥にあります。

明代には皇后の寝宮として使われましたが、清代になると建物の役割が変わり、主に薩満祭祀の場として使われました。

清代の皇帝の婚礼では、坤寧宮の東暖閣が新婚の部屋として使われています。

『瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』や『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』など、清朝の後宮ドラマを見ていると、皇后は後宮の頂点に立つ存在として描かれます。

その皇后と深く関わる建物が坤寧宮です。

「皇后の寝宮」という印象が強かったのですが、実際には時代によって役割が変わっていたことがわかりました。

紫禁城・坤寧宮の扁額と黄色い瑠璃瓦の屋根
坤寧宮の扁額。
満洲文字と漢字で「坤寧宮」と記されています。

御花園|紫禁城の北に広がる庭園

坤寧宮を抜けてさらに北へ進むと、御花園があります。

御花園は明の永楽年間に造られた、皇帝や后妃たちのための庭園です。

紫禁城の建物が南北に整然と並ぶ中、御花園には樹木や奇石、亭、楼閣などが配置されています。

中国宮廷ドラマでも、庭園はよく登場します。
后妃たちが散策したり、人物同士が出会ったり、会話を交わしたりする場面です。

『宮廷の諍い女』『瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』を見てきた私にとって、御花園は「中国宮廷ドラマで何度も見てきた庭園の世界」を実際に確認できる場所でもありました。

実際に歩いてみると、宮殿が連なる場所とはかなり雰囲気が違います。


萬春亭

御花園でひときわ目を引いたのが、萬春亭(ばんしゅんてい)です。

赤い柱に黄色の瑠璃瓦、軒下には細かな彩色が施されています。

紫禁城・御花園の萬春亭の屋根と扁額
御花園の萬春亭。
重なり合う屋根と、軒下の細かな装飾が目を引きます。
紫禁城・御花園の萬春亭の重なり合う屋根
萬春亭の特徴的な屋根。
上部の円形屋根と四方に張り出した屋根が重なる、複雑な造りがよく分かります。

萬春亭の内部天井

萬春亭の中に入り、真上を見上げると現れるのが、龍を中心に据えた藻井(そうせい)です。

藻井は、中国の宮殿や寺廟などに見られる装飾性の高い天井です。

中央の龍を囲むように装飾が幾重にも重なり、真下から見ると、中心へ向かって立体的に組み上げられている様子がよくわかります。

紫禁城・御花園の萬春亭内部にある龍の藻井
萬春亭の藻井。
中央の龍を囲むように装飾が幾重にも重なり、真下から見ると立体的な構造がよく分かります。

そして、この天井には見覚えがありました。

『瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』のオープニング映像にも登場する天井です。

ドラマで何度も目にしていた中国建築。

実在したんだな。

時を忘れてじっくり眺めていました。


御景亭|御花園の楼閣

御花園の北側にある堆秀山(たいしゅうざん)。その頂上に建つのが御景亭です。

堆秀山は自然の山ではなく、太湖石を積み重ねて造られた築山です。

太湖石の名の由来となった太湖は、蘇州や無錫に近い江南を代表する湖のひとつです。

太湖石は、複雑な穴や凹凸をもつ独特の奇石。中国では古くから観賞石として珍重され、蘇州をはじめとする江南の庭園でも重要な景観要素として使われてきました。

御花園では、この太湖石を積み上げて堆秀山を造っています。

岩の間には石段や通路が設けられ、その先に御景亭があります。

御景亭は、旧暦9月9日の重陽節に、皇帝や皇后が「登高」を行った場所でもあります。

重陽節には、高い場所に登って厄を払い、長寿を願う習慣があります。御花園に築山を造り、その頂上に御景亭を設けた背景には、こうした宮廷行事もありました。

山頂の御景亭からは、御花園だけでなく、紫禁城や景山、西苑まで見渡すことができたとされています。

現在、一般の観光客が堆秀山に登って御景亭まで行けるかについては、故宮博物院の公式案内では確認できませんでした。

御花園の堆秀山に積まれた太湖石と木々の間から見える御景亭
太湖石を積み上げた堆秀山の上に建つ御景亭。
木々と奇岩の間から屋根が見えます。

天一門前に置かれた青銅香炉

御花園の青銅香炉の装飾に手を触れる観光客
御花園の青銅香炉。装飾部分に手を触れる人を多く見かけました。

御花園を歩いていると、大きな青銅香炉がありました。
場所は天一門の前。故宮博物院によると、天一門前の御路中央には青銅香炉が置かれています。

天一門の奥にある欽安殿には玄天上帝が祀られ、明・清代には道教の祭祀が行われていました。

私が訪れたときは、この香炉に触れている人がたくさんいました。


御花園に置かれた大型の青銅香炉と装飾に触れる観光客
御花園の青銅香炉。人と比べると、その大きさがよく分かります。

全体はこのような姿。装飾がとても細やかで、芸術品のようでした。


北門(神武門)から故宮を出る

長い参観の終わりは、故宮北側の出口・神武門です。

門を出ると、正面には景山公園があります。
振り返れば神武門、その向こうには、これまで歩いてきた紫禁城が広がっています。

次は景山公園へ。
山の上から紫禁城全体を眺めます。

故宮博物院の北側に位置する神武門の正面。赤い城壁に大きく「故宮博物院」と掲げられ、多くの来訪者が行き交う様子が写っている。
故宮の北側出口・神武門。
門を出ると、正面に景山公園があります。

景山公園へ|歩いてきた紫禁城を一望する

神武門を出て、景山公園へ向かいます。

景山は、紫禁城建設の際に掘り出された土を積み上げて造られた人工の山です。

石段を上り、振り返ると、紫禁城が目の前に広がります。

黄金色の屋根が幾重にも重なり、南北にまっすぐ伸びる中軸線。

その奥には、現在の北京の街並みも見えます。

紫禁城の中を歩いていると、とにかく広くて、全体の大きさはなかなか実感できませんでした。

景山から見ると、その広さがよく分かります。

『瓔珞』や『如懿伝』で何度も見てきた紫禁城。

実際にその中を歩いたあと、最後にこうして全体を眺められたのは、かなり印象に残りました。


北京の中心点|中軸線の上に立つ

景山公園は、北京内城を南北に貫く「北京中軸線」の中心点に位置しています。

北京中軸線は、北の鐘鼓楼から南の永定門まで約7.8km。景山や故宮、天安門などがこの軸線上に並び、2024年には世界文化遺産に登録されました。

景山の万春亭から眺めると、故宮を南北に貫く中軸線がまっすぐ伸びているのが分かります。

景山公園の地面に示された「北京城中心点」
地面に示された「北京城中心点」。
紫禁城を南北に貫く北京中軸線上に位置しています。

景山公園から見る紫禁城の全景|息をのむ美しさ

景山公園の頂上から振り返ると、歩いてきた紫禁城が目の前に広がります。

視界いっぱいに連なる黄色い瓦屋根。

南北に伸びる北京中軸線。

その奥には、現代の北京の街並みまで見えました。

紫禁城の中を歩いているときには分からなかった、建物同士の位置関係や敷地の広さが、ここから見るとよく分かります。

太和殿や乾清宮など、実際に歩いて見てきた建物を上からもう一度眺められるのも、景山公園ならでは。

紫禁城を歩いた最後に、この景色を見られてよかったと思いました。

景山公園から見た紫禁城の神武門
景山公園から見た紫禁城の北門・神武門。
門の奥には紫禁城の建物が南へと続いています。
景山公園から一望した紫禁城の全景
景山公園から見渡す紫禁城。
手前の神武門から南へ、黄色い瓦屋根の建物が幾重にも続く様子を一望できます。

まとめ|紫禁城(故宮)、景山公園観覧のポイント

① 紫禁城は事前予約制

紫禁城(故宮博物院)は、事前予約が必要です。
当日券の販売はなく、チケットは参観日の7日前20時から予約できます。

私はTrip.comの予約サービスを利用しました。
自分で予約する方法もありますが、中国語での手続きが不安だったため、私は予約サービスを利用しました。


② パスポート原本を忘れずに

外国人旅行者は、予約に使用したパスポートで本人確認を行います。
入場時には、予約に使用したパスポートの原本を持参してください。


③ トイレ・休憩・飲食

故宮内にはトイレがあり、飲み物や軽食を購入できる場所もあります。
私は見学中、トイレや休憩場所に困ることはありませんでした。

敷地がとても広いため、無理に歩き続けず、途中で休憩を入れながら見学するのがおすすめです。


④ 履き物は最重要ポイント

紫禁城は石畳と広大な敷地のため、想像以上に歩きます。
スニーカーなど履きなれた靴は必須です。


⑤ 所要時間の目安:私は3時間

私は、入場してから神武門を出るまで約3時間かかりました。
ただし、今回は特別展示や東六宮などは見学していません。

見学する範囲によって所要時間は大きく変わるので、じっくり見たい場合は余裕をもって予定を組むのがおすすめです。


⑥ 動線のポイント

紫禁城は入口と出口が固定されています。
効率的なのは:

天安門広場 → 紫禁城 → 神武門(北門) → 景山公園

この順で回るルートです。


⑦ 景山公園は現地でもチケット購入可能

私は事前にチケットを購入して行きました。

景山公園はオンラインで事前にチケットを購入できますが、現地の窓口でも購入できます。

外国人旅行者が現地で購入する場合は、パスポートを持参してください。

故宮の北東角に位置する「角楼」を外堀越しに眺めた風景。穏やかな水面に楼閣が映り込み、重層的な屋根と赤い柱が曇り空の下で際立っている。
紫禁城の角楼。
『瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』のオープニング映像にも登場します。

🔽あわせて読みたい
紫禁城の宮殿を正面から撮影した写真。青空の下、黄色い屋根と白い石段が広がり、手前のに広場がある。
紫禁城とは?中国ドラマがもっと面白くなる完全ガイド|歴史・建築・後宮・見学方法

中国時代劇を見ていると、赤い壁と黄色い屋根に囲まれた壮大な宮殿が登場します。 皇帝が大臣たちと向き合う大殿。皇后や妃嬪が暮らす後宮。いくつもの門と、長く続く廊下。 中国ドラマではおなじみの風景です。 ...

続きを見る

🔽中国旅行のホテル・航空券を探す


-北京
-,